答える。

芝居をやる身として、全ての表現の本質は「問いかけ」だと思います。
ずっと疑問でした。小学校で先生がよく言ったコトバが。
『算数(数学)の答えは一つだが、国語(文学)の答えは一つじゃない』
なぜ?
そう思っていました。
僕はその言葉を言い訳に、“答えが一つしかない劣った学問”を怠けました。


でも、本当は違ったのですね。


何故、表現に関わる答えは皆違うのか。


それはその「問いかけ」が一つの決まりきった式ではなく、
“その問い自身が質問者と回答者を含んだ変わりいく式”だから。


> 「なぜ、おまえは、こたえをくれないのだ?」
それはあなた自身がもう、“こたえ”だから。


> 「なぜ、おわりをおれたちに投げ出すのだ?」
それはあなたの物語に、“おわり”などないから。


> 「なぜ、おまえはわけのわからない質問ばかりしつづけるのか?」
それはあなたは“あなたという問い”に、答えを出していないから。


> 「あなたは、いったい、誰ですか」
僕は、その問いに答えるために、生きています。


その大切なことを教えてくれた、 「あなた」の質問を
> 私は、とても、愛しく、そして、嬉しく思っています。


だからこのコトバを、心を込めてお返しします。
> 本当に、本当に、ありがとう。