『SAKURA』

色々ありました。
色々ない稽古場なんてないんでしょうな、やっぱ。
この作品は一年前からずっとずっと出たかった作品で。
出演が決まったときは、本当に本当にうれしくって。
だからこそ、稽古でやりこなせない自分、その障害となっているもの。
その全てを憎んだことがありました。
そのとき聞こえたのです!!
『愛だろ、愛』(某CMの声で)
ラヴだよね、やっぱ〜〜〜!!
疲れてたんですね。
明らかに幻聴。
まあそんなわけで。
“ラヴ”をテーマに今回の作品に挑んでみたわけです。
舞台裏で『ラヴ、ラヴ!!』言い続ける俺はさぞキモかったことだろう。
『他の役をよく見せる』演技をここまで心がけたのは初めてでした。
他の共演者さま方も、それに笑いながら付き合っていただきました。
本当にありがとう!!
でもまぁ、“善意”とか“愛”って呼びかけでしかなくて。
応えてくれなければ、一方通行で終わるという事も学びました。
しょうがないんですけどね、こればかりは。
俺のアプローチの仕方が悪かったのかもしれないですし。
しかし目標は達成しました。
それは『一日お客様一人でいいから、泣いて貰う事』
あの涙があるから。
これからも“咲かせ”続けていこうと決めました。
◆◆◆
『咲かない花はない』
『散らない花はない』
『咲き誇れないなら』
『散り誇れ』

田上真蔵という役。

下手にしか出れない男。
でも変に見栄っ張りな男。
微笑んでる妻の顔が大好きな男。
面と向かっては文句をいえない男。
意外と酒癖が悪い男。
言わなきゃならないことを言えなかった男。
友達のために土下座できる男。
うちに友人を上げるのが楽しくて仕方ない男。
妻の気持ちをわかった上でそれでも怒鳴りつけた男。
目をあわせられない友人を見つめる男。
友人と殺しあう男。
友人に殺される男。
そして。
それでも“友人”と呼べる人を得た男。